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[Our Stories 003] いちばん最初、の製品は
いちばん最初、の製品です。
コードバンだけを使用して製品をつくるブランド、そんなちょっと変わったコンセプトを掲げたときに、"いちばん最初に作りたい"と思っていたものがありました。
それがコードバンだけでつくった巾着です。
コードバンのきれいさ、経年変化の楽しさがいちばんよくわかる形は、きっとこの巾着だと思います。
コードバンという革のいちばんの特徴は「コードバンの持つしなやかさから生まれる、美しい表情」ではないでしょうか。
小さなシボやシワが出来にくい、というコードバンならでは線維構造が、大きくきれいな皺とうねりを生みだして、二つと無い独特の表情を作りだしているのです。
コードバン100%…
革製品は、一般的には内側に革を張ったり、厚みを揃えたり、細かなディテールを作り込んだりと、製品にそうしたひと手間を加えたことで生まれる高級感、満足感も楽しみのひとつです。
でもじつは、個人的につくりたいと思っていたものは、シンプルにコードバンだけを楽しむためのもの、"100%コードバン"の持つ魅力がたっぷりと楽しめる製品でした。
コードバン本来の手触りや質感、その経年変化をたっぷりと楽しむためには、コードバン一枚で仕上げたアンラインドの靴のような、そんな味わいのある製品づくりを目指しました。
コードバンを探して。
コードバンという素材は、何十年も前からランドセルや革靴に使われてきました。
それでも「高級な革、素材」という印象が強いせいか、「カジュアルに使う革製品」として身近になってきたのは、比較的最近のことだと思います。
atelier Lemon & Lime を始める時に、コードバンを探して革屋さんを何軒も訪ねた事があります。その当時は、まだ個人への小売りをしてくれる革屋さんも少なく、加えて、海外のコードバンを扱っている革屋さんも非常に限られていました。
幸いにもその当時は、海外ではクラフター向けの小ロットでの革の販売が盛んになっていました。そのおかげで、日本では手に入りにくい色合いも手にすることができました。
ここ数年は、日本でもコードバンが手に入りやすくなってきたと思います。
海外からの新しいコードバンもたくさん増えてきました。マーブルコードバンやタンブルドコードバンなど、色合いや質感の違うコードバンも目にすることが増えました。もちろん、日本製のコードバンにも新しい種類や色合いが増えてきています。
それでもまだまだ、日本の革屋さんで流通しているコードバンの種類や色合いには限りがあります。特に、めずらしい色合いに人気が偏ったり、価格が高くなったり…。
手に入る種類や色合いが少ないと、作り手にとってもそうですが、お客さまが製品を選ぶ際にも選べる選択肢が限られてしまう…、それはとても勿体無いことだと思います。
少しでも選べる色合いが多ければ、コードバンの楽しさはもっともっと膨らむはずです。
だから、できるだけたくさんのカラーバリエーションから選べるように、今まで日本ではあまり手に入らなかった色合いも取り揃えることにしました!