コードバンについてのお話し

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コードバンのことをより知っていただくための読みものです。

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[Cordovan Care Vol.05] コードバンのブルームとは?

もしかして、カビ?

少しの間使わないで置いておいたコードバンに、うっすらと白い粉のようなものが付いていた!

そんな経験はありませんか?
一瞬、カビかと思って驚いた方もいるのではないでしょうか。

コードバン

これが「ブルーミング (ブルーム)」とよばれる現象です。
使わないでおいておくと、コードバンの中の油分が表面に浮き出てきて、うっすらと蝋燭のロウのように白く見えるようになります。

有名なところでは、ブライドルレザーの表面を覆う白いものもブルームです。また、寒い時期にチョコレートの表面が白くなるのも、同じ原理です。

Contents

  
① ブルームの正体は? 

では、このブルームという白い物質の正体は、何でしょうか?

コードバン

こうやってみると、一瞬、カビ!?、とビックリしてしまいますが…
よく見てみると違いはわかります。革を扱う人の中では一般に「スピュー」や「ブルーム」という名で知られていますが、どちらも現象は同じものを指しています。

実は、チョコレートの表面が白くなる現象も同じ原理で「ファットブルーム」と呼ばれます。

では、この「ブルーム」とは何でしょうか?
それは、
革に含まれる油脂分が寒さなどで表に出て凝固したものです。つまり、革の中から少しずつ滲み出てきたもので、革に害のある物ではありません。また、決して革からのSOSなどでもありません。

ちなみに、ブライドルレザーの表面についている「ブルーム」のことを「ロウ」と表現されたりもしますが、これも同じく革の中の油脂が凝固したもの、また、その油脂を強調するために白いワックスを含ませてできたものです。

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② どのようにしたら消えるの?

このブルームは、本来コードバンの中に含まれていた油脂分が、外気の寒さや保管の環境の中で浮き出てくるものです。ですので、革の表面を乾拭きやブラッシングすることで、このブルームは落とすことができます。

また、もしも白い部分が残ってしまうようでしたら、ほんの少し乳化性のクリームなどを追加するか、ブラッシングや乾拭きの際の摩擦の熱で再び革の中に染み込ませる、という方法で見えにくくなります。
ブラシやクロスと共に、靴磨き用のミトン、ムートン製のミトンなどがあると、効率的にブルームを落としたり、馴染ませたりすることができます。

コードバン

ブルームが出てくる要因は、正確にはわかりません。油脂分が革にとって飽和状態になった場合もありますし、保管時の環境によるものの場合もあります。

そのため、ブルームが出ないようにする対策は常に乾拭きやブラッシングを繰り返すこと、に尽きるのです。 

コードバン

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③ ブルームは悪くないの?

ブルームは、決して悪い物ではありません。もちろん、革からのSOSでもありません。

反対に、革にしっかりと油脂分が含まれている証拠になります。そして、この状態で風通しの良いカビの生えにくい環境で保管ができていたら、革への不都合はありません。

ただし、見た目の問題や、あまりにも長く放置しておくと油分で革が硬くなったり、革にひび割れが起こる原因にもなります。そのため、少なくともシーズンごとに、特に梅雨の前後は念入りに、革の状態を確認しながらお手入れをすることをおすすめしています。

コードバン

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↑ ブラッシングと乾拭きの後で、少しだけコロニルを馴染ませた状態です。前の写真のブルームの出ていた状態に比べると、艶やかさが戻ってきました。

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